つづき
地震の翌朝、一晩過ごした隣町の避難所を早々に出発し、昨夜引き返した道を歩いて行くと、やはり途中から道が水没。
じばし悩んだ末、とにかく前進することに。
冷たい水の中を歩いて行くと、至る所に車や瓦礫や流木などの漂流物が散乱し、アスファルトの道路はぬかるんでまるで田んぼのよう。
やっと自宅の見える位置まで来ると、家があった!
一階は水没してるものの二階は無事なのを確認して一安心。
しかし、家まで後わずかなのに、水が深く近寄れない。しかも津波警報が出たので、またもや引き返すことに。
途中、道で見かけた小さい女の子を背負い、自宅近くの避難所へ。下は水に浸かっているので二階に上がり、両親を探すも姿はなし。
着替えもタオルもストーブも何もないので、濡れた服を着たまま直接日光で乾かすべく、外の非常階段に腰かけて辺りを眺める。
避難所はまるで広大な湖の中に浮いてる島のような印象で、すぐ近くでは自衛隊や消防のヘリが、逃げ遅れた人を吊り上げて救助している。
もうそこにかつてののどかな風景はい。海の方はの集落まるごと消えていて、暴風林はスカスカ。
ふと、スマトラ島の光景を思い出しながら、私はテレビのニュース見て同情してたけど、本当は対岸の火事のように他人事だと思ってたんだなぁと反省。
最初の避難所と違い、ここは本当に何もない。
私が最初の避難所から持ってきた新聞の号外を見ていると、いつのまにやら避難所中で回し読み。何も知らぬは当の被災者ばかりなりといった感じだ。
この日の夕に頂いた食事は、たまたま流れ着いた車に積まれていたらしい出荷用のイチゴ。一パックを4人に分配。
停電のため当然夜は真っ暗。暖房は一切なく、何も持たない私は床に丸まって横になるしかない。寒い。水も食料もなくていいから、とにかく今は毛布がほしい。
そんな私を見かねて、近くにいた人が掛けるものを貸して下さった。本当にありがたい。
こうして2日目が終了。
つづく
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